「利率」は額面金額に対する利息の割合で、発行時に決まる固定の数字です。「利回り」は投資金額に対する年間総収益の割合で、利息だけでなく売却益や償還差益も含みます。債券を額面より安く買えば利回りは利率より高くなり、額面より高く買えば利回りは利率より低くなります。
| 項目 | 利率 | 利回り |
|---|---|---|
| 計算の分母 | 額面金額 | 購入価格(投資金額) |
| 対象となる収益 | 利息のみ | 利息+売却益・償還差益 |
| 変動性 | 固定(発行時に決定) | 変動(市場価格による) |
| 別名 | 表面利率、クーポンレート | 最終利回り、実質利回り |
| 主な使用場面 | 債券の発行条件 | 投資判断・成果の評価 |
「利率」の意味と使い方
「利率」とは、額面金額に対する利息の割合を表す数字です。債券では「表面利率」や「クーポンレート」とも呼ばれ、発行時に決定されます。
例えば、額面100万円・利率2%の債券を保有していると、年間2万円の利息を受け取れます。この2%という数字は、債券を途中で売買しても変わりません。
利率は「額面に対していくらの利息がつくか」を示すものであり、実際の投資効率を測るには利回りを見る必要があります。
「利回り」の意味と使い方
「利回り」とは、投資金額に対する年間総収益の割合を表す数字です。利息だけでなく、売却益や償還差益も含めた「トータルリターン」を示します。
債券は市場で売買されるため、額面100円の債券が98円や102円で取引されることがあります。額面より安く買えば、償還時に差益が出るため利回りは利率より高くなります。逆に額面より高く買えば、利回りは利率より低くなります。
投資判断においては、利率よりも利回りを見ることが重要です。利回りは「実際に投資したお金がどれだけ増えるか」を示すからです。
語源・由来
「利率」は「利(利益)」+「率(割合)」で、「利益の割合」という意味です。元金に対してどれだけの利息がつくかを表します。
「利回り」は「利(利益)」+「回り(巡ってくるもの)」で、投資したお金が「どれだけの利益を回してくれるか」という意味です。「回り」には「周囲」「循環」の意味があり、投資から戻ってくる収益を表しています。
どちらも「利」を含む言葉ですが、利率は「利息」だけを、利回りは「総収益」を対象としている点が異なります。
具体例で理解する利率と利回り
額面100円・利率2%・残存期間5年の債券を例に、購入価格による利回りの違いを見てみましょう。
額面どおり100円で購入した場合
年間の利息は2円です。償還時も100円で戻ってくるため、売却益・償還差益はありません。この場合、利回りは利率と同じ2%になります。
額面より安い95円で購入した場合
年間の利息は2円です。さらに、償還時は額面の100円が戻ってくるため、5円の償還差益が出ます。5年で5円なので、1年あたり1円の収益が加わり、利回りは約3.2%になります。利率より高くなるのは、安く買った分だけ「お得」になるからです。
額面より高い105円で購入した場合
年間の利息は2円です。しかし、償還時は額面の100円しか戻ってこないため、5円の償還差損が出ます。5年で5円の損失なので、1年あたり1円のマイナスとなり、利回りは約0.95%になります。利率より低くなるのは、高く買った分だけ「損」になるからです。
よくある質問
「利率」と「金利」の違いは何ですか?
ほぼ同義で使われますが、「金利」は市場や経済全体の文脈で、「利率」は個別の商品や契約の文脈で使われることが多いです。「日銀が金利を引き上げた」「この定期預金の利率は0.2%」のように使い分けます。
「最終利回り」とは何ですか?
債券を購入してから償還(満期)まで保有した場合の利回りのことです。途中で売却せず、最後まで持ち続けた場合の投資効率を示します。
「表面利回り」と「実質利回り」の違いは?
不動産投資でよく使われる用語です。「表面利回り」は年間家賃収入を物件価格で割っただけのもの、「実質利回り」は管理費や税金などの経費を差し引いた後の利回りです。実質利回りの方が実際の収益性を正確に表します。
「配当利回り」とは何ですか?
株式投資で使われる用語で、株価に対する年間配当金の割合を示します。例えば、株価1,000円の株が年間30円の配当を出す場合、配当利回りは3%です。