「出資」は企業の株式を取得してオーナーの一員になることで、返済義務はなく、リターンは配当や株式価値の上昇です。「融資」は企業にお金を貸すことで、返済義務があり、リターンは利息です。出資者は経営に参加する権利を持ちますが、融資者にはその権利はありません。
| 項目 | 出資 | 融資 |
|---|---|---|
| お金を出す側の立場 | 株主・出資者 | 債権者・貸し手 |
| 返済義務 | なし | あり |
| リターン | 配当・株式価値の上昇 | 利息 |
| 経営参加権 | あり(議決権) | なし |
| リスク | 高い(元本保証なし) | 低め(元本返済が原則) |
| 破綻時の優先順位 | 最後(残余財産の分配) | 優先して弁済 |
| 会計上の扱い | 資本(自己資本) | 負債(他人資本) |
「出資」の意味と使い方
「出資」とは、企業の株式を取得して資金を提供することです。出資者は「株主」となり、企業のオーナーの一員になります。
出資の最大の特徴は、返済義務がないことです。企業は出資者に対してお金を返す必要がなく、その代わりに株主は配当を受け取る権利や、株主総会での議決権を持ちます。企業の価値が上がれば株式の価値も上がり、売却益を得ることもできます。
一方で、企業が倒産した場合、出資したお金が戻ってこないリスクがあります。残余財産の分配は債権者(融資した人)より後になるため、実際には何も受け取れない可能性もあります。
- ベンチャーキャピタルから1億円の出資を受けた。
- 新規事業のために、友人が出資してくれることになった。
- 出資比率に応じて議決権が配分される。
- 当社への出資者には毎年配当をお支払いしています。
「融資」の意味と使い方
「融資」とは、企業や個人にお金を貸すことです。銀行からの借入や社債の発行による資金調達が融資に該当します。融資を受けた側は「債務者」、お金を貸した側は「債権者」となります。
融資の特徴は、返済義務があることです。借りた側は元本に利息を加えて返済しなければなりません。融資者は企業の業績に関係なく、約束された利息を受け取る権利があります。
融資者は出資者と違い、経営に参加する権利はありません。しかし、企業が破綻した場合は株主より優先して弁済を受けることができます。
- 銀行から運転資金として5,000万円の融資を受けた。
- 設備投資のための融資を申し込んだ。
- 日本政策金融公庫の創業融資を利用して起業した。
- 融資の審査では事業計画書の内容が重視される。
語源・由来
「出資」は「出(だす)」+「資(お金・資本)」で、「資本を出す」という意味です。企業に資本金として提供するお金を指します。
「融資」は「融(とおす・とける)」+「資」で、「資金を融通する」という意味です。「融通」には「都合をつける」「やりくりする」という意味があり、必要な人に資金を回すことを表しています。
どちらも「資」という漢字を使っていますが、出資は「資本を出す」、融資は「資金を融通する(貸す)」と、性質が異なります。
会計上の違い
出資と融資は、企業の会計上も異なる扱いを受けます。
出資は「自己資本」
出資によって調達した資金は、貸借対照表の「純資産の部」に計上されます。返済義務がないため「自己資本」と呼ばれ、企業の財務基盤を示す重要な指標となります。自己資本比率が高い企業は、財務が安定していると評価されます。
融資は「他人資本」
融資によって調達した資金は、貸借対照表の「負債の部」に計上されます。返済義務があるため「他人資本」と呼ばれ、借入金や社債として表示されます。負債が多すぎると財務の健全性に懸念が生じます。
よくある質問
「出資」と「投資」の違いは何ですか?
「出資」は主に企業の株式を取得して資金を提供することを指し、「投資」はより広い概念で、株式、債券、不動産など様々な資産に資金を投じることを指します。出資は投資の一種といえます。
「融資」と「借入」の違いは何ですか?
同じ取引を異なる立場から見た言葉です。「融資」はお金を貸す側の視点、「借入」はお金を借りる側の視点で使います。銀行が「融資する」、企業が「借入する」という関係になります。
「出資」と「資本参加」の違いは何ですか?
ほぼ同じ意味で使われますが、「資本参加」は特に他社の株式を取得して経営に参加する場合に使われることが多いです。「出資」はより広い場面で使える一般的な表現です。
企業が破綻した場合、「出資者」と「融資者」の扱いはどう違いますか?
弁済の優先順位が異なります。融資者(債権者)は株主より優先して弁済を受けることができますが、出資者(株主)は最後になります。これは「出資」が返済義務のない資本、「融資」が返済義務のある負債であるという性質の違いに基づいています。