目次
  1. 「おしるこ」の意味と使い方
  2. 「ぜんざい」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 地域による違い
  5. 鏡開きとおしるこ・ぜんざい
  6. よくある質問
結論

関東「汁気があるかないか」で区別し、汁気があれば「おしるこ」、汁気がなければ「ぜんざい」と呼びます。一方関西では「あんの種類」で区別し、こしあんなら「おしるこ」、つぶあんなら「ぜんざい」と呼びます。同じ料理でも地域によって呼び名が変わる、ややこしい食べ物です。

おしるこ

おしるこ
関東:汁気があるもの全般
関西:こしあんの汁物

ぜんざい

ぜんざい
関東:汁気のないあん
関西:つぶあんの汁物
項目 おしるこ ぜんざい
関東での定義 汁気のあるもの全般(つぶ・こし問わず) 汁気のないあんを餅にのせたもの
関西での定義 こしあんを使った汁物 つぶあんを使った汁物
区別の基準 関東:汁気あり/関西:こしあん 関東:汁気なし/関西:つぶあん
語源 「餡汁子餅」→「汁粉」 仏教用語「善哉」または「神在餅」

「おしるこ」の意味と使い方

「おしるこ」は、小豆あんを水でのばして砂糖で甘く煮た汁に、餅や白玉団子を入れた甘味です。漢字では「お汁粉」と書きます。

関東では、汁気のある小豆の甘味全般を「おしるこ」と呼びます。つぶあんでもこしあんでも、汁気があれば「おしるこ」です。さらに細かく区別する場合、つぶあんのものを「田舎汁粉」「小倉汁粉」、こしあんのものを「御膳汁粉(ごぜんじるこ)」と呼び分けます。

関西では、こしあんを使った汁気のあるものだけを「おしるこ」と呼びます。なめらかな口当たりが特徴で、上品な甘さが楽しめます。

「おしるこ」の特徴
  • 関東:汁気があればおしるこ(つぶあん・こしあん問わず)
  • 関西:こしあんを使った汁物だけがおしるこ
  • なめらかな口当たりで、さらりと飲める
  • 「御膳汁粉」はこしあんで作った上品なタイプ

「ぜんざい」の意味と使い方

「ぜんざい」は、小豆を砂糖で甘く煮て、餅や白玉団子を入れた甘味です。漢字では「善哉」と書きます。

関東では、汁気のないあんを餅や白玉にのせたものを「ぜんざい」と呼びます。とろりとした濃厚なあんを楽しむスタイルで、冷たくしたものは夏のデザートとしても親しまれています。

関西では、つぶあんを使った汁気のあるものを「ぜんざい」と呼びます。小豆の粒が残った状態で煮るため、食感が楽しめるのが特徴です。関西で汁気のないつぶあんのものは「亀山」「金時」と呼ばれ、別の食べ物として区別されます。

「ぜんざい」の特徴
  • 関東:汁気のないあんを餅にのせたもの
  • 関西:つぶあんを使った汁物
  • 小豆の粒感を楽しめる食べごたえのある甘味
  • 関西では「亀山」「金時」は別物として区別される

語源・由来

「おしるこ」の語源

「おしるこ」は江戸時代にはすでに存在していました。当時は「餡汁子餅(あんしるこもち)」と呼ばれており、あんの汁の中に子(実)として餅や団子を入れることからこの名がつきました。これが略されて「汁子」となり、さらに転「汁粉」になったとされています。

また、乾燥した粉状のあん(さらしあん)を使っていたことから「汁」と「粉」で「汁粉」と呼ばれるようになったという説もあります。

興味深いことに、江戸時代初期のおしるこは現代のような甘いものではなく、塩味で調味されており、お酒のつまみとして食べられていました。

「ぜんざい」の語源

「ぜんざい」の語源には主に2つの説があります。

1つ目は仏教用語説です。サンスクリット語の「sadhu」を漢訳した「善哉(ぜんざい・よきかな)」という言葉があり、「すばらしい」「よいかな」という意味があります。一休禅師がこの甘味を食べて「善哉」と言ったことが名前の由来とする説です。

2つ目は出雲起源説です。島根県出雲地方では、旧暦10月に全国の神々が集まる「神在祭(かみありさい)」が行れます。この祭りで振る舞われた「神在餅(じんざいもち)」が京都に伝わり、「じんざい」が「ぜんざい」に転じたという説で、江戸時代の文献にも記されている有力な説です。

地域による違い

おしることぜんざいの定義は、関東・関西だけでなく、他の地域でも異なります。

関東地方

汁気の有無で区別します。汁気があれば「おしるこ」、汁気がなければ「ぜんざい」です。つぶあん・こしあんの違いは問いません。

関西・四国・九州地方

あんの種類で区別します。こしあんなら「おしるこ」、つぶあんなら「ぜんざい」です。汁気のないつぶあんのものは「亀山」「金時」と呼ばれます。九州の一部では、餅入りを「おしるこ」、白玉入りを「ぜんざい」と呼ぶ地域もあります。

北海道

おしることぜんざいを明確に区別しない傾向があり、一般的に「おしるこ」と呼ばれます。また、一部地域では餅の代わりにかぼちゃを入れる「かぼちゃしるこ」が郷土料理として親しまれています。

沖縄

沖縄の「ぜんざい」は他の地域とはまったく異なり、金時豆を黒糖で煮て冷やし、かき氷をのせた冷たいスイーツです。温かい食べ物ではないため、観光で訪れた際は注意が必要です。

鏡開きとおしるこ・ぜんざい

毎年1月11日(地域によっては1月15日)は「鏡開き」の日です。お正月に飾った鏡餅を下げ、おしるこやぜんざい、お雑煮にしていただく日本の伝統行事です。

鏡餅は刃物で切ることが縁起が悪いとされているため、木槌などで割って調理します。硬くなった餅をやわらかくするには、2分ほど茹でてから火を止め、蓋をしてしばらく置くとよいでしょう。

寒い季節に温かいおしるこやぜんざいで体を温めながら、一年の無病息災を願う風習は、今も多くの家庭で続けられています。

よくある質問

Q
関東と関西で定義が違うのはなぜ?
A
明確な理由は分かっていませんが、江戸時代にはすでに違いがあったとされています。関西から江戸に広まる過程で、呼び名が正しく伝わらなかったという説が有力です。
Q
「亀山」「金時」とは何?
A
関西で、汁気のないつぶあんを餅や白玉にのせたものを指します。関東でいう「ぜんざい」に相当するものです。
Q
沖縄のぜんざいはなぜ冷たい?
A
沖縄では一年を通して温暖な気候のため、冷たいスイーツとして独自に発展しました。金時豆を黒糖で煮て冷やし、かき氷をのせて食べるスタイルが定着しています。
Q
おしるこやぜんざいに添える塩昆布の意味は?
A
甘味と塩味を交互に味わうことで、味覚をリセットする効果があります。甘さを引き立てる日本の伝統的な食べ方で、梅干しが添えられることもあります。
Q
おしるこ・ぜんざいに使う小豆の種類は?
A
一般的な小豆でも作れますが、大粒で煮崩れしにくい「大納言小豆」を使うと、より上品な味わいと食感が楽しめます。