目次
  1. 「効く」の意味と使い方
  2. 「利く」の意味と使い方
  3. 「利く」を使う慣用句
  4. 迷いやすいケース
  5. 覚え方のコツ
  6. 語源・由来
  7. よくある質問
結論

「効く」は効果・効き目があられることを表します。「利く」は機能が発揮される・可能である・役立つことを表します。「薬が効く」「機転が利く」のように、効果なら「効」、機能なら「利」と覚えましょう。迷ったら「利く」かひらがな「きく」が無難です。

効く

きく
効果・効き目があらわれる
期待通りの結果が出る

利く

きく
機能が発揮される
可能である・役立つ
項目 効く 利く
主な意味 効果・効き目があらわれる 機能が発揮される、可能である
覚え方 効果の「効」 利用・便利の「利」
関連熟語 効果、効能、効力、薬効 利用、便利、利益、権利
使用例 薬が効く、宣伝が効く 機転が利く、融通が利く
文法 主に他動詞的 自動詞・他動詞どちらも可

「効く」の意味と使い方

「効く」効果・効き目があらわれること、期待通りの結果が出ることを表します。「効果」「効能」「効力」「薬効」といった熟語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

何かに働きかけて、その結果として効果が現れるという因果関係がポイントです。薬を飲んだら痛みがとれた、宣伝をしたら客が増えた、というように「原因→結果」の関係がはっきりしています。

「効く」は主に他動詞的に使われます。「○○が効く」の形で、何かが作用して効果を発揮するという意味になります。

「効く」を使った例文
  • この薬は頭痛によく効く
  • 宣伝が効いて、連日満員だ。
  • 説教が効いたのか、彼は真面目になった。
  • 肩こりに効くツボを押す。
  • 相手のパンチが効いてきた。
  • この部屋は冷房が効いていて涼しい。

「利く」の意味と使い方

「利く」は、機能が発揮されること、可能であること、役立つことなど、幅広い意味で使われます。「利用」「便利」「利益」といった熟語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

本来持っている能力や機能がうまく働いている状態を表します。「鼻が利く」は嗅覚という機能が発揮されている、「融通が利く」は柔軟に対応することが可能である、という意味です。

「利く」は自動詞・他動詞どちらでも使えます。また、「口を利く(話す・仲介する)」のように特殊な意味で使われる慣用句もあります。

「利く」を使った例文
  • 彼女は機転が利くので頼りになる。
  • このお店は融通が利くので助かる。
  • うちの犬は鼻が利く
  • コンパクトカーは小回りが利く
  • 彼は気が利く人だ。
  • 親戚の口利きで就職できた。

「利く」を使う慣用句

「利く」は多くの慣用句で使われます。覚えておくと便利です。

能力・機能に関するもの

  • 機転が利く:その場に応じて適切な判断ができる
  • 気が利く:細かいところまで注意が行き届く
  • 鼻が利く:嗅覚が鋭い、物事を察知する能力がある
  • 目が利く:物の良し悪しを見分ける力がある
  • 目端が利く:その場に応じて才知が働く

可能・柔軟性に関するもの

  • 融通が利く:臨機応変に対応できる
  • 小回りが利く:狭い場所でも動きやすい、柔軟に対応できる
  • 無理が利く:多少の無理ができる
  • 応用が利く:さまざまな場面に適用できる
  • つぶしが利く:他の仕事にも転用できる

影響力・発言に関するもの

  • 顔が利く:信用や力があり、無理が言える
  • 幅を利かせる:勢力や発言力がある
  • 睨みが利く:他者を押さえつける威力がある
  • 口を利く:話をする、仲介をする

迷いやすいケース

「効く」と「利く」の境界があいまいで、どちらでも使えるケースがあります。

「ワサビがきく」はどっち?

ワサビの辛味という効果が現れているなら「効く」、ワサビの調味料としての機能が発揮されているなら「利く」。どちらでも使えますが、迷ったらひらがな「きく」が無難です。

「冷房がきく」はどっち?

冷房の効果で涼しくなったなら「効く」、冷房が機能しているなら「利く」。これもどちらでも使えます。

「胡椒がきく」はどっち?

胡椒の辛味という効果が出ているなら「効く」、胡椒が調味料として機能しているなら「利く」。どちらでも可です。

「歯止めがきく」はどっち?

歯止めが機能しているという意味なので「利く」が適切です。

「ブレーキがきく」はどっち?

ブレーキが機能しているという意味なので「利く」が一般的ですが、「効く」も使われます。

覚え方のコツ

「効く」と「利く」の使い分けで迷ったときは、以下のコツで判断しましょう。

熟語に置き換えてみる

  • 効果がある」に置き換えられる → 効く
  • 機能する」「可能である」に置き換えられる → 利く

「効」と「利」のイメージ

  • :じわじわと効果が現れる(薬効のイメージ)
  • :能力や機能がパッと発揮される(便利のイメージ)

迷ったときの対処法

  • 効果か機能かはっきりしない場合 → どちらでもOK
  • それでも迷う場合 → ひらがな「きく」が無難
  • 慣用句は決まった漢字を使う(機転が利く、薬が効く など)

語源・由来

「効」の字は、「交」(まじわる)と「力」から成り、力を加えて作用させる様子を表しています。そこから「効果」「効能」など、何かに働きかけて結果を出すという意味が生まれました。

「利」の字は、「禾」(稲)と「刂」(刀)から成り、刃物で稲を刈る様子を表しています。そこから「役立つ」「都合がよい」という意味が生まれ、「利用」「便利」「利益」などの熟語ができました。

どちらも「きく」と読みますが、漢字の成り立ちから、ニュアンスの違いが理解できます。

よくある質問

Q
「気がきく」はどっち?
A
「気が利く」です。細かいところまで注意が行き届くという「機能・能力」の意味なので「利く」を使います。
Q
「融通がきく」はどっち?
A
「融通が利く」です。臨機応変に対応できるという「可能」の意味なので「利く」を使います。公用文でも「利く」が推奨されています。
Q
「顔がきく」はどっち?
A
「顔が利く」です。信用や影響力という「機能」が働くという意味なので「利く」を使います。
Q
「口をきく」はどっち?
A
「口を利く」です。話をする、仲介をするという特殊な意味で使われる慣用句で、「利く」と書きます。
Q
迷ったらどうすればいい?
A
「効果」か「機能」か判断できない場合は、どちらを使っても間違いではありません。それでも迷う場合はひらがな「きく」で書くのが無難です。