目次
  1. 「警察」の意味と使い方
  2. 「検察」の意味と使い方
  3. 刑事事件の流れと役割分担
  4. 語源・由来
  5. 混同しやすい関連用語
  6. よくある質問
結論

「警察」は犯罪の捜査・逮捕担当する組織で、「検察」は警察から送られた事件を起訴するかどうか判断し、裁判で立証する組織です。警察は「犯人を捕まえる」役割、検察は「裁判にかけるか決める」役割と覚えておくとよいでしょう。

警察

けいさつ
犯罪の捜査・逮捕を行う
都道府県ごとに設置

検察

けんさつ
起訴・不起訴を判断する
裁判で犯罪を立証する
項目 警察 検察
主な役割 犯罪の捜査・被疑者の逮捕 起訴・不起訴の判断、裁判での立証
所管官庁 警察庁(国家公安委員会) 検察庁(法務省)
構成員 警察官 検察官(検事など)
組織 都道府県警察(47組織) 最高検・高検・地検・区検
刑事事件での順序 先に捜査を行う(第一次捜査機関) 警察から送検後に対応
起訴の権限 なし あり(検察官のみ)

「警察」の意味と使い方

「警察」は、社会の安全と秩序を守るために犯罪の予防・捜査・逮捕を行う組織です。日本では各都道府県に警察本部が設置されており、その下に警察署や交番が置かれています。なお、東京都の警察本部は「警視庁」という名称です。

刑事事件において、警察は第一次的な捜査機関として機能します。犯罪が発生すると、まず警察が現場に駆けつけ、証拠の収集や被疑者の特定・逮捕を行います。逮捕した場合は48時間以内に検察官へ事件を送致(送検)しなければなりません。

警察は捜査と逮捕までが主な仕事であり、被疑者を裁判にかけるかどうかを決める権限は持っていません。

「警察」を使った例文
  • 事件が発生し、警察が現場に急行した。
  • 目撃者が警察に通報して、容疑者はすぐに逮捕された。
  • 警察は証拠を集め、48時間以内に検察へ送検した。

「検察」の意味と使い方

「検察」は、警察から送られた事件について起訴するかどうかを判断し、裁判で犯罪事実を立証する組織です。正式には「検察庁」といい、法務省の管轄下にあります。

検察官は、警察から送検された事件について自ら被疑者の取調べを行ったり、証拠を精査したりします。その結果、裁判にかける(起訴)か、かけない(不起訴)かを決定します。日本において、被疑者を起訴する権限は原則として検察官のみに与えられています。

起訴した場合、検察官は法廷で被告人の有罪を立証する役割を担います。裁判では弁護人と対峙し、証拠を提示して求刑を行います。

「検察」を使った例文
  • 検察は証拠不十分として不起訴処分とした。
  • 事件検察に送られ、起訴されるかどうかが注目されている。
  • 検察側は懲役5年を求刑した。

刑事事件の流れと役割分担

刑事事件において、警察と検察はそれぞれ異なる段階で重要な役割を担っています。全体の流れは以下のようになります。

1. 捜査・逮捕(警察)

犯罪が発生すると、まず警察が捜査を開始します。証拠を収集し、被疑者を特定して逮捕します。逮捕には裁判所が発行する逮捕状が必要ですが、現行犯の場合は令状なしで逮捕できます。

2. 送検(警察→検察)

警察は被疑者を逮捕した場合、48時間以内に事件記録と被疑者の身柄を検察官に送致しなければなりません。これを「送検」といいます。身柄を拘束せずに書類だけを送る場合は「書類送検」と呼ばれます。

3. 起訴・不起訴の判断(検察)

検察官は送検された事件を精査し、起訴するか不起訴にするかを決定します。証拠が十分であれば起訴し、不十分であれば不起訴となります。起訴猶予(有罪にできるが訴追しない)という判断もあります。

4. 裁判での立証(検察)

起訴された場合、検察官は法廷で被告人の有罪を立証します。証拠を提示し、論告・求刑を行います。裁判所が判決を下し、有罪が確定すると刑が執行されます。

語源・由来

「警察」は「警(いましめる)」と「察(調べる)」を組み合わせた言葉です。社会の秩序を守り、犯罪を取り締まる機関を意味します。明治時代に西洋の police 制度を導入する際、この漢字が当てられました。

「検察」は「検(調べる)」と「察(見る・調べる)」を組み合わせた言葉です。犯罪を調査し、法に照らして訴追するかどうかを判断する機関を意味します。こちらも明治時代の司法制度整備に伴って定着した言葉です。

混同しやすい関連用語

警察庁と警視庁

「警察庁」は全国の警察を統括する国の機関で、「警視庁」は東京都の警察本部の名称です。警視庁は47都道府県警察のひとつであり、警察庁の管理下にあります。

検事と検察官

「検察官」は検察庁に所属する職員全体を指し、「検事」は検察官の役職のひとつです。検察官には検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事などの区分があります。

逮捕と起訴

「逮捕」は警察が被疑者の身柄を拘束すること、「起訴」は検察が被疑者を裁判にかけることです。逮捕されても起訴されなければ(不起訴)、裁判にはなりません。

よくある質問

Q
「送検」とはどういう意味ですか?
A
「送検」は、警察が事件を検察に送ることを意味します。正式には「検察官送致」といい、被疑者の身柄と事件記録を送る「身柄送検」と、書類だけを送る「書類送検」があります。
Q
起訴できるのは検察だけですか?
A
はい、日本では起訴する権限は原則として検察官のみに認められています。これを「起訴独占主義」といいます。ただし、検察審査会の議決による強制起訴という例外的な制度もあります。
Q
「警察」と「検察」は英語で何といいますか?
A
「警察」は police、「検察」は prosecution または public prosecutor’s office といいます。検察官は prosecutor です。
Q
検察も独自に捜査できますか?
A
はい、検察官は独自に捜査を行う権限を持っています。特に政治家の汚職事件や大規模な経済事件では、東京地検特捜部などが独自捜査を行うことがあります。