「お疲れ様」は目上・同僚・部下の誰に対しても使えるねぎらいの言葉です。「ご苦労様」は現代のビジネスマナーでは目上の人から目下の人に使う言葉とされており、部下から上司に使うのは避けた方がよいでしょう。迷ったときは「お疲れ様」を使えば失礼にはあたりません。
| 項目 | お疲れ様 | ご苦労様 |
|---|---|---|
| 焦点 | 相手の心身の状態(疲れ) | 相手の仕事の内容(苦労) |
| 目上の人に | 使える | 避けた方がよい |
| 同僚に | 使える | 場合による |
| 部下に | 使える | 使える |
| 社外の人に | 避けた方がよい | 避けた方がよい |
| 挨拶として | 広く使われる | あまり使われない |
「お疲れ様」の意味と使い方
「お疲れ様」は、相手の心身の疲れをねぎらう言葉です。「とても疲れていることでしょう」という思いやりを込めて使います。
現代のビジネスマナーでは、目上・同僚・部下の誰に対しても使える便利な言葉として定着しています。仕事中の挨拶、退社時の挨拶、仕事が終わったときのねぎらいなど、幅広い場面で使われます。
ただし、社外の人(取引先・顧客など)に対しては「お疲れ様」はカジュアルすぎる印象があるため、「お世話になっております」などを使う方が適切です。
- 会議終了後、上司に「お疲れ様でした」と声をかける。
- 退社する同僚に「お疲れ様です。お先にどうぞ」と挨拶する。
- プロジェクトを終えた部下に「お疲れ様。よく頑張ったね」とねぎらう。
「ご苦労様」の意味と使い方
「ご苦労様」は、相手の仕事の大変さや苦労をねぎらう言葉です。「とても大変な仕事でしたね」という思いやりを込めて使います。
現代のビジネスマナーでは、目上の人から目下の人に対して使う言葉とされています。上司が部下に、先輩が後輩に対して使うのが一般的です。
そのため、部下から上司に「ご苦労様」を使うと、上から目線に感じられて失礼にあたる可能性があります。目上の人にはお疲れ様」を使う方が無難です。
語源・由来
「お疲れ様」の由来
「お疲れ様」は比較的新しい言葉で、昭和後期から広まったとされています。「ご苦労様」が目下に使う言葉として定着していく中で、目上の人にも使えるねぎらいの言葉として「お疲れ様」が普及しました。
現在では「おはようございます」「こんにちは」のような挨拶言葉としても広く使われています。
「ご苦労様」の由来
「ご苦労様」は古くから使われている言葉です。実は、江戸時代から昭和初期までは目上の人に対しても使われていたことが、歌舞伎や浄瑠璃本などの文献から確認されています。
「目上に使うのは失礼」という認識が広まったのは1980年代以降とされ、軍隊で上官が部下に「ご苦労」と声をかける用法が影響したという説があります。
現代のビジネスルールは「迷信」?
国立国語研究所によると、「ご苦労様は目下に使う」というルールは、ビジネスの効率化のために単純化されたマナーであり、本来の用法を全て説明したものではないとされています。
実際、以下のような場面では目上の人に「ご苦労様」を使っても自然です。
- 公務やボランティア活動:「総理、ご苦労様でした」
- 退職・引退:「長い間、ご苦労様でした」
とはいえ、現代のビジネスシーンでは「ご苦労様は目下に使う」というルールが広く定着しています。相手によっては不快に感じる可能性もあるため、迷ったときは「お疲れ様」を使うのが無難です。
より丁寧な言い換え表現
目上の人へのねぎらいをより丁寧に伝えたい場合は、以下のような表現も使えます。
- お疲れ様でございました
- 本日もありがとうございました
- ご指導ありがとうございました
- お先に失礼いたします(退社時)
「お疲れ様でございました」は文法的に正しい表現ですが、「日本語として変」と感じる人もいます。気になる場合は「ありがとうございました」に言い換えるとよいでしょう。
よくある質問
宅配便の配達員に「ご苦労様」と言っていい?
文法的には間違いではありませんが、気になる場合は「ありがとうございます」を使う方が無難です。相手に上から目線と感じさせない表現を選ぶとよいでしょう。
社外の人に「お疲れ様です」は使える?
避けた方がよいでしょう。社外の人には「お世話になっております」「いつもありがとうございます」などを使う方が適切です。「お疲れ様」「ご苦労様」はどちらも社内向けの表現です。
メールの書き出しに「お疲れ様です」は正しい?
社内メールでは一般的に使われており、問題ありません。ただし、社外メールでは「お世話になっております」を使うのがビジネスマナーです。
「お疲れ様」と「お疲れさま」、どちらが正しい?
どちらも正しい表記です。「お疲れ様」は漢字表記、「お疲れさま」はひらがな表記で、意味は同じです。ビジネス文書では「お疲れ様」と漢字で書くことが多いです。