目次
  1. 「超える」の意味と使い方
  2. 「越える」の意味と使い方
  3. 迷いやすいケース
  4. 複合語は「越」を使う
  5. 語源・由来
  6. よくある質問
結論

「超える」は数値・基準・限度を上回るときに使います。「越える」は場所・時間・地点を通過して向こうへ行くときに使います。イメージとしてえる」は縦方向(上に突き抜ける)、「越える」は横方向(向こう側へ通過する)と覚えましょう。

超える

こえる
数値・基準を上回る
縦方向のイメージ

越える

こえる
場所・時間を通過する
横方向のイメージ
項目 超える 越える
主な意味 基準・数値を上回る 地点・時を通過して先へ行く
イメージ 縦方向(上に突き抜ける) 横方向(向こう側へ移動)
対象 数値、金額、人数、気温、年齢、限度、予想 山、峠、国境、壁、冬、年、期限
関連熟語 超過、超越、超人、超高層 越境、越冬、越権、引っ越し
英語のイメージ exceed, surpass, over cross, get over, pass

「超える」の意味と使い方

「超える」は、数値・基準・限度を上回ることを表します。「超」の字には「限度をこす」「かけはなれている」「ぬきんでている」という意味があります。

イメージとしては縦方向。ある基準線があって、それを上に突き抜けて上回るという感覚です。

具体的な数字で表せるものには「超える」を使います。また、数字で表されていなくても、「限界」「予想」「期待」など、ある基準を上回るという意味であれば「超える」が適切です。

「超える」を使った例文
  • 今日は気温が35度を超えた。
  • 来場者数が10万人を超えた。
  • 売上高が1兆円を超える見込みだ。
  • 彼の能力は想像を超えていた。
  • 人間の限界を超えた挑戦。
  • 期待を超える結果を出した。

「越える」の意味と使い方

「越える」は、ある場所・地点・時を通過して向こうへ行くことを表します。「越」の字には「こえる」「通り過ぎる」「移る」という意味があります。

イメージとしては横方向。山や峠、国境などの障害物を乗り越えて、向こう側へ移動するという感覚です。時間についても、「冬を越す」「年を越す」のように、ある時期を通り過ぎるときに使います。

物理的な移動だけでなく、「困難を乗り越える」「壁を越える」のように、比喩的な障害を克服する場合にも使われます。

「越える」を使った例文
  • 峠を越えるとゴールは近い。
  • 国境を越えて隣国に入った。
  • 冬を越して春がやってきた。
  • 年を越してから連絡します。
  • 困難を乗り越えて成功した。
  • 権限を越えた行動は慎むべきだ。

迷いやすいケース

「超える」と「越える」の使い分けで迷いやすいケースを見てみましょう。

「年齢をこえる」はどっち?

年齢は数値なので、基本的には「60歳を超える」です。ただし、「50の坂をこえる」のように時期・節目として表現する場合は「越える」も使われます。

「気温をこえる」はどっち?

気温は数値なので「30度を超える」です。温度計の目盛りを上回るイメージです。

「壁をこえる」はどっち?

物理的な壁を乗り越えて向こうへ行く場合は「越える」。比喩的に「障害を克服する」という意味でも「越える」が一般的ですが、「限界の壁を超える」のように基準を上回るニュアンスなら「超える」も使えます。

「国境をこえた愛」はどっち?

物理的に国境を通過するなら「越える」。しかし「国籍の枠を超えた愛」のように概念的な枠組みを突破する意味なら「超える」も使われます。

「権限をこえる」はどっち?

「越権」という熟語があるように、「権限を越える」が正しいです。権限という境界線を踏み越えるというイメージです。

複合語は「越」を使う

「〜こえる」「〜こす」という複合語(合成語)では、原則として「越」を使います。

  • 乗り越える(障害を克服する)
  • 追い越す(前を行くものを抜く)
  • 勝ち越す(勝ち数が上回る)
  • 持ち越す(次に繰り延べる)
  • 繰り越す(次の期に回す)
  • 引っ越す(住居を移す)
  • 見越す(将来を予測する)

「追い越す」は「前の人を抜いて上回る」という意味がありますが、複合語なので「越」を使うのが原則です。

語源・由来

「超」の字は、「走」(走る)と「召」(呼び出す・跳ぶ)から成り、跳び上がって高くこえる様子を表しています。そこから「限度をこす」「ぬきんでる」という意味が生まれました。「超人」「超高層」など、普通の程度を大きく上回るものに使われます。

「越」の字は、「走」(走る)と「戉」(まさかり)から成り、障害物を乗り越えて進む様子を表しています。そこから「通り過ぎる」「向こうへ行く」という意味が生まれました。「越境」「越冬」など、何かを通過することに使われます。

どちらも「走」を含んでいますが、「上に跳ぶ」か「向こうへ進む」かで意味が分かれています。

よくある質問

Q
「100歳をこえる」はどっち?
A
年齢を数値として捉えるなら「100歳を超える」。ただし、100歳という節目を通過するという意味なら「100歳を越える」も使われます。NHKでは文脈によってどちらも使用されています。
Q
「期待をこえる」はどっち?
A
「期待を超える」です。期待という基準・レベルを上回るという意味なので「超える」を使います。「予想を超える」「想像を超える」も同様です。
Q
「師匠をこえる」はどっち?
A
「師匠を超える」です。師匠の能力・レベルを上回るという意味なので「超える」を使います。「ライバルを超える」「先輩を超える」も同様です。
Q
「時代をこえる」はどっち?
A
文脈によります。「時代を越えて受け継がれる」のように時を通過する意味なら「越える」。「時代を超えた名作」のように時代の枠を突破する意味なら「超える」も使われます。
Q
迷ったらどうすればいい?
A
数字に置き換えられるなら「超える」、場所や時間を通過するなら「越える」と考えましょう。それでも迷う場合は、ひらがなで「こえる」と書いても問題ありません。