目次
  1. 「生かす」の意味と使い方
  2. 「活かす」の意味と使い方
  3. 履歴書ではどちらを使う?
  4. 常用漢字と表外読み
  5. 迷ったときの判断基準
  6. 語源・由来
  7. よくある質問
結論

「生かす」は命を保たせる・生命に関すること、「活かす」は能力や経験を有効に使うことを表します。履歴書で「経験をいかす」と書く場合「活かす」が意味的には適切ですが、「活かす」は常用漢字の表外読みのため、迷ったら「生かす」を使えば間違いありません

生かす

いかす
命を保たせる・生命に関する
常用漢字の表内読み

活かす

いかす
能力・経験を有効に使う
常用漢字の表外読み
項目 生かす 活かす
主な意味 命を保たせる、殺さない 能力を発揮する、有効活用する
常用漢字 (表内読み) (表外読み)
公文書・新聞 使用可 使用しない
履歴書 使用可(無難) 使用可(意味が伝わりやすい)
使用例 命を生かす、人質を生かす 経験を活かす、特技を活かす

「生かす」の意味と使い方

「生かす」は、命を保たせる・生命を維持するという意味が中心です。「生」の字は生命や暮らしに関する意味を持ち、死にかけたものをよみがえらせたり、殺さずに生存させたりする場面で使われます。

また、「生かす」には能力や経験を有効に使うという意味もあります。「生」は常用漢字の表内読みであるため、公文書や新聞、公的な文書ではこちらが使われます。

つまり、「生かす」はどのような文脈でも使える万能な表記です。「活かす」の意味で「生かす」と書いても間違いにはなりません。

「生かす」を使った例文
  • 捕まえた魚を生かしたまま水槽に入れた。
  • 生かすも殺すも君次第だ。
  • 患者の命を生かすための治療を続ける。
  • この経験を今後の仕事に生かしたい。
  • 素材の味を生かした料理。

「活かす」の意味と使い方

「活かす」は、能力や経験を有効に使う・活用するという意味で使われます。「活」の字には「役立てる」「活発に動かす」という意味があり、何かを効果的に発揮させる場面にぴったりです。

履歴書で「経験をいかす」と書く場合、意味的には「活かす」の方が適切です。「活用」「活躍」という熟語からも分かるように、「活」には積極的に能力を発揮するニュアンスがあります。

ただし、「活かす」は常用漢字の表外読み(常用漢字表にない読み方)であるため、公文書や新聞では使用されません。履歴書では使っても問題ありませんが、堅い文書では「生かす」が無難です。

「活かす」を使った例文
  • 前職で培ったスキルを活かしたい。
  • 語学力を活かせる仕事を探している。
  • チームの個性を活かした戦略を立てる。
  • 地域の特色を活かしたまちづくり。
  • 自分の強みを最大限に活かす

履歴書ではどちらを使う?

履歴書で「経験をいかす」と書く場合、結論から言えばどちらを使っても問題ありません。ただし、それぞれにメリットがあります。

「活かす」を使うメリット

  • 意味が明確に伝わる(能力を活用するニュアンス)
  • 積極的・意欲的な印象を与えやすい
  • 履歴書では一般的に使われる表記

「生かす」を使うメリット

  • 常用漢字の表内読みなので間違いがない
  • 堅実・正確な印象を与える
  • 公務員試験など、正確さを重視する場面で安心

一般企業への履歴書なら「活かす」でOK。公務員や堅い業界なら「生かす」が無難。迷ったらひらがなで「いかす」と書くのも一つの方法です。

常用漢字と表外読み

「生かす」と「活かす」の使い分けを理解するには、常用漢字の仕組みを知っておくと便利です。

常用漢字とは、法令・公用文・新聞・雑誌・放送など、一般の社会生活で使う漢字の目安として国が定めたものです。常用漢字表には、漢字ごとに「読み方」も定められています。

「生」の読み方:セイ、ショウ、い(きる)、い(かす)、う(まれる)、は(える)、なま → 「いかす」は表内読み

「活」の読み方:カツ → 「いかす」は表外読み(常用漢字表にない読み方)

そのため、新聞や公文書では「活かす」という表記は使われず、「生かす」に統一されています。ただし、表外読みは「間違い」ではありません。あくまで「目安」なので、一般文書では「活かす」を使っても問題ないのです。

迷ったときの判断基準

「生かす」と「活かす」の使い分けに迷ったときは、以下の基準で判断しましょう。

「生かす」を使う場面

  • 命に関わる文脈(命を生かす、人質を生かす)
  • 公文書・役所の文書
  • 新聞・雑誌などの出版物
  • 公務員試験・学校のテスト
  • 堅い・フォーマルな文書

「活かす」を使う場面

  • 能力・経験を活用する文脈
  • 履歴書・職務経歴書
  • 自己PR・志望動機
  • 広告・キャッチコピー
  • 積極性をアピールしたいとき

どうしても迷ったら

  • 「生かす」と書けば間違いにはならない
  • ひらがなで「いかす」と書く
  • 「活用する」「役立てる」に言い換える

語源・由来

「生」の字は、地面から芽を出したばかりの植物を描いた象形文字が起源です。そこから「生きる」「生まれる」など、生命に関するさまざまな意味を持つようになりました。「生かす」は「死なせない」「命を保たせる」という意味が本来の用法です。

「活」の字は、「氵(水)」と「舌」から成り、舌が水の流れのように滑らかに動く様子を表しています。そこから「活発」「活動」など、勢いよく動くという意味が生まれました。「活かす」は「能力を発揮させる」「有効に使う」という意味に特化した用法です。

どちらも「いかす」と読みますが、漢字の成り立ちから、ニュアンスの違いが理解できます。

よくある質問

Q
履歴書に「活かす」と書いたら減点される?
A
一般企業の履歴書では問題ありません。むしろ「経験を活かす」は意味が明確で、積極的な印象を与えます。ただし、公務員試験など正確さを重視する場面では「生かす」が無難です。
Q
「活かす」は間違った日本語?
A
間違いではありません。常用漢字の「表外読み」であり、公文書では使われませんが、一般文書では問題なく使えます。辞書にも「生かす(活かす)」と併記されています。
Q
新聞ではなぜ「生かす」だけ使う?
A
新聞は常用漢字の表内読みを使うルールがあるためです。「活」の表内読みは「カツ」のみで、「いかす」は表外読みなので、新聞では「活かす」と書かず「生かす」に統一しています。
Q
「人を生かす」と「人を活かす」の違いは?
A
「人を生かす」は「殺さずに生存させる」と「人材を有効活用する」の両方に解釈できます。「人を活かす」は「人材を有効活用する」という意味に限定されます。誤解を避けたい場合は文脈に合わせて選びましょう。
Q
ひらがなで「いかす」と書いてもいい?
A
もちろん問題ありません。迷ったときはひらがなで書くのが最も無難です。公文書でもひらがな表記は認められています。