どちらもホラー映画のサブジャンルですが、重視するポイントが異なります。「スラッシャー」は殺人鬼が若者を次々と襲う「形式・ストーリー展開」を指し、サスペンス要素を重視します。「スプラッター」は血しぶきや人体損壊といった「残酷描写・表現方法」を指します。両方の要素を持つ作品も多く、『13日の金曜日』などは「スラッシャーでありスプラッター」と言えます。
| 項目 | スラッシャー | スプラッター |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 殺人鬼が若者を次々と襲う形式 | 過激な残酷描写を売りにする表現 |
| 語源 | slash(切り裂く) | splatter(飛び散る) |
| 分類の観点 | ストーリー形式・展開 | 映像表現・描写方法 |
| 重視する要素 | 「誰が次に殺されるか」のサスペンス | 「どう殺されるか」の残酷描写 |
| お約束要素 | マスクを被った殺人鬼、若者グループ | 血しぶき、特殊メイク、人体損壊 |
| 代表作 | ハロウィン、エルム街の悪夢、スクリーム | SAW、ホステル、死霊のはらわた |
「スラッシャー」の意味と使い方
「スラッシャー」は、殺人鬼(スラッシャー)が若者たちを次々と襲う形式のホラー映画を指します。英語の「slash(切り裂く)」が語源で、「slasher」は「切り裂く者=殺人鬼」を意味します。
スラッシャー映画の特徴は、定番の「お約束」が多いことです。マスクを被った正体不明の殺人鬼、パーティーやキャンプに集まった若者グループ、一人ずつ殺されていく展開、最後まで生き残る「ファイナルガール」などが典型的な要素です。
「誰が次に殺されるのか」「主人公は逃げ切れるのか」というサスペンス要素が楽しみの中心となります。
- 『ハロウィン』はスラッシャー映画の金字塔だ。
- 80年代はスラッシャー映画が大量に製作された。
- 『スクリーム』はスラッシャー映画のお約束をメタ的に描いた作品だ。
「スプラッター」の意味と使い方
「スプラッター」は、血しぶきや人体損壊など、過激な残酷描写を売りにしたホラー作品を指します。英語の「splatter(飛び散る)」が語源で、血が飛び散る様子に由来しています。
スプラッター作品の特徴は、「どのように殺されるか」という視覚的なショックに重点を置いている点です。リアルな特殊メイクによる人体損壊、大量の血しぶき、内臓の露出などが見どころとなります。
ストーリー展開よりも、残酷シーンそのものを楽しむジャンルと言えます。
- この映画はスプラッター描写が激しいので覚悟が必要だ。
- 『SAW』はスプラッターシーンのバリエーションが豊富だ。
- スプラッター映画は特殊メイクの技術が見どころの一つだ。
語源・由来
「スラッシャー」の由来
「スラッシャー」は英語の「slasher」をカタカナにした言葉です。「slash」は「切り裂く」という意味の動詞で、「slasher」は「切り裂く者」つまり殺人鬼を指します。
映画ジャンルとしてのスラッシャーは、1978年のジョン・カーペンター監督『ハロウィン』によって確立されました。その後1980年代に『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』などが次々と製作され、一大ブームとなりました。
「スプラッター」の由来
「スプラッター」は英語の「splatter」をカタカナにした言葉で、「液体がはねる、飛び散る」という意味です。血しぶきが飛び散る様子から、このジャンル名がつきました。
映画ジャンルとしてのスプラッターは、1963年のハーシェル・ゴードン・ルイス監督『血の祝祭日』から始まったとされています。
両方の要素を持つ作品も多い
実際には、スラッシャーとスプラッターの両方の要素を持つ作品が多くあります。
たとえば『13日の金曜日』シリーズは、ジェイソンという殺人鬼が若者を次々と襲う「スラッシャー」の形式を持ちながら、血しぶきが飛び散る残酷な殺害シーンという「スプラッター」の要素も持っています。
ただし、すべてのスラッシャー映画がスプラッターというわけではありません。『ハロウィン』(1978年)のように、残酷描写を控えめにしてサスペンスを重視したスラッシャー映画もあります。逆に、『SAW』シリーズのように殺人鬼に追われる形式ではないスプラッター映画もあります。
見分けるポイント
スラッシャーとスプラッターを見分けるには、以下の観点で考えると分かりやすいです。
スラッシャー寄りの特徴
- マスクを被った殺人鬼が登場する
- 若者グループが標的になる
- 一人ずつ殺されていく展開
- 「ファイナルガール」が生き残る
- 追跡劇・逃走劇がメイン
スプラッター寄りの特徴
- 残酷な殺害シーンが見どころ
- 特殊メイクによるリアルな人体損壊
- 血の量が多い
- 「どう殺されるか」に重点がある
- ストーリーよりも残酷描写がメイン
よくある質問
「スラッシャー」と「スプラッター」はどちらが怖い?
恐怖の種類が異なります。スラッシャーは「追われる恐怖」「次に誰が殺されるかの緊張感」というサスペンス的な怖さ。スプラッターは「グロテスクな映像を見せられる」という視覚的なショックです。どちらが怖いかは人によって異なります。
「スラッシャー」と「ホラー」の違いは?
ホラーは恐怖をテーマにした作品全般を指す大きなジャンル名です。スラッシャーはホラーのサブジャンルの一つで、殺人鬼が若者を次々と襲う形式の作品を指します。
「ゴア」と「スプラッター」は同じ意味?
ほぼ同じ意味で使われます。「ゴア(gore)」は血のりを意味する英語で、1970年代以前は「ゴア・ムービー」と呼ばれていました。1980年代に「スプラッター」という呼称が定着し、現在はこちらが一般的です。
ジェイソン(13日の金曜日)はスラッシャー?スプラッター?
両方です。マスクを被った殺人鬼が若者を次々と襲う「スラッシャー」の形式でありながら、血しぶきが飛び散る残酷な殺害シーンという「スプラッター」の要素も持っています。両ジャンルの代表作と言えます。