「独唱」は1人で歌うこと、「斉唱」は複数人が同じ旋律(メロディ)を一斉に歌うことです。1人で歌う場合は「斉唱」ではなく「独唱」が正しい表現です。「国歌斉唱」という表現が定着していますが、歌手が1人で歌う場合は「国歌独唱」が正確です。
| 項目 | 独唱 | 斉唱 |
|---|---|---|
| 意味 | 1人で歌うこと | 複数人が同じ旋律を歌うこと |
| 人数 | 1人 | 2人以上 |
| パート | 1パート | 1パート(全員同じ旋律) |
| 英語 | Solo(ソロ) | Unison(ユニゾン) |
| 使用例 | ソプラノ独唱、国歌独唱 | 校歌斉唱、国歌斉唱 |
「独唱」の意味と使い方
「独唱」は、1人で歌うことを意味します。「独り」で「唱える(歌う)」と書き、歌い手が1人であることがポイントです。英語では「ソロ(Solo)」と呼ばれます。
伴奏の有無は問いません。ピアノ伴奏やオーケストラ伴奏がついていても、歌い手が1人であれば「独唱」です。オペラでソリストが歌う場面や、歌手がコンサートで歌う場面が独唱にあたります。
式典で1人の歌手が国歌を歌う場合は、「国歌斉唱」ではなく「国歌独唱」が正しい表現です。
- 開会式で歌手が国歌を独唱した。
- オペラ歌手のソプラノ独唱に感動した。
- コンサートで彼女が独唱するバラードが聴きどころだ。
「斉唱」の意味と使い方
「斉唱」は、複数人が同じ旋律(メロディ)を一斉に歌うことを意味します。「斉(そろう)」に「唱える」と書き、全員が揃って同じメロディを歌うことを表します。英語では「ユニゾン(Unison)」と呼ばれます。
斉唱のポイントは、全員が同じ旋律を歌うことです。ハーモニー(和音)を作らず、パートに分かれることもありません。
学校の朝礼で校歌を歌う場面や、スポーツの試合前に観客が国歌を歌う場面が斉唱の典型例です。
- 入学式で全員で校歌を斉唱した。
- 試合前にスタジアム全体で国歌斉唱が行われた。
- 卒業式で「蛍の光」を斉唱した。
語源・由来
「独唱」の語源
「独唱」は日本語の造語で、「独(ひとり)」+「唱(となえる・うたう)」を組み合わせた言葉です。西洋音楽の「Solo」の概念を日本語で表現するために作られました。
「斉唱」の語源
「斉唱」も日本語の造語で、「斉(そろう・ひとしい)」+「唱(となえる・うたう)」を組み合わせた言葉です。「斉」には「揃える」「一斉に」という意味があり、全員が同じ旋律を揃えて歌うことを表しています。
他の歌唱形態との違い
歌唱形態には、独唱・斉唱以外にもいくつかの種類があります。
| 歌唱形態 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 独唱 | 1人で歌う | ソプラノ独唱、国歌独唱 |
| 斉唱 | 複数人が同じ旋律を歌う | 校歌斉唱 |
| 重唱 | 2人以上が別々のパートを歌う(少人数) | 二重唱(デュエット)、三重唱 |
| 合唱 | 複数パートをそれぞれ複数人が歌う | 混声四部合唱 |
| 輪唱 | 同じ旋律を時間差で歌う | 「かえるのうた」 |
「斉唱」と「合唱」の違い
斉唱と合唱は混同されやすいですが、明確な違いがあります。
- 斉唱 – 全員が同じ旋律を歌う(パート分けなし)
- 合唱 – 複数のパートに分かれてハーモニーを作る(ソプラノ・アルト・テノール・バスなど)
校歌を全員で同じメロディで歌えば「斉唱」、パートに分かれてハーモニーをつければ「合唱」になります。
「国歌斉唱」の誤用に注意
「国歌斉唱」という表現は非常に一般的ですが、歌手が1人で国歌を歌う場合は「国歌独唱」が正しい表現です。
東京オリンピックの開会式でMISIAさんが君が代を歌った際も、正確には「国歌独唱」でした。「国歌斉唱」が耳になじんだ表現であるため、1人で歌う場合も「斉唱」と言ってしまいがちですが、厳密には誤用です。
- 歌手1人が歌う → 国歌独唱
- 観客・参加者全員で歌う → 国歌斉唱
よくある質問
1人で歌う場合は「斉唱」と言える?
言えません。「斉唱」は2人以上が同じ旋律を歌う場合に使う言葉です。1人で歌う場合は「独唱」が正しい表現です。
「斉唱」と「合唱」の違いは?
「斉唱」は全員が同じ旋律を歌うこと、「合唱」は複数のパートに分かれてハーモニーを作って歌うことです。パート分けの有無が違いです。
男女が一緒に歌うと斉唱ではない?
同じ旋律を歌っていれば斉唱です。男女でオクターブが異なっていても、同じメロディを歌っていれば斉唱に該当します。
「重唱」とは何が違う?
「重唱」は2人以上がそれぞれ別のパートを歌うことで、二重唱(デュエット)や三重唱などがあります。「斉唱」は全員同じ旋律、「重唱」は別々のパートという違いがあります。