「映画」は映画館で上映される動画作品全般を指す広い言葉で、「劇場版」はテレビアニメやドラマなど既存の作品を劇場用に作り直したものを指します。「劇場版」は「映画」の一種ですが、原作があることを明示するための表現です。ただし明確なルールはなく、同じテレビアニメでも「映画ドラえもん」と「劇場版エヴァンゲリオン」のように表記が異なります。
| 項目 | 映画 | 劇場版 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 映画館で上映される動画作品全般 | 既存作品を劇場用に作り直したもの |
| 原作の有無 | 問わない(オリジナルも含む) | 原作がある(テレビ版・漫画など) |
| 範囲 | 広い(実写・アニメ・ドキュメンタリーなど) | 狭い(主にアニメ・ドラマの劇場化) |
| 英語表記 | Movie、Film | Theatrical Version |
| 使用例 | 映画ドラえもん、映画クレヨンしんちゃん | 劇場版NARUTO、劇場版エヴァンゲリオン |
| ニュアンス | 一般的な表現 | テレビ版との区別を強調 |
「映画」の意味と使い方
映画(えいが)とは、映画館のスクリーンに上映される動画作品全般を指す言葉です。元々は、フィルムに連続撮影した静止画像を映写機で映し出し、目の残像現象を利用して動きを再現するものを意味していました。
現代では、フィルムだけでなくデジタル撮影された作品や、映画館で上映される動画作品全般を「映画」と呼びます。実写映画、アニメーション映画、ドキュメンタリー映画など、ジャンルを問わず幅広く使われる言葉です。
「映画」という言葉には、原作の有無は関係ありません。完全オリジナルの作品も、漫画やテレビアニメを映画化したものも、どちらも「映画」と呼ぶことができます。
「映画」を使う作品例
テレビアニメの映画化でも、「映画」という言葉を使う作品は多数あります。
- 映画ドラえもん(テレビアニメの映画化)
- 映画クレヨンしんちゃん(テレビアニメの映画化)
- 映画プリキュア(テレビアニメの映画化)
- 映画アンパンマン(テレビアニメの映画化)
これらはすべてテレビシリーズがありますが、「劇場版」ではなく「映画」という表記を使っています。特に長期シリーズの国民的アニメでは「映画」表記が定着している傾向があります。
- 週末は家族で映画を見に行った。
- 今年の映画ドラえもんは宇宙が舞台だ。
- 映画館で見ると迫力が違う。
「劇場版」の意味と使い方
劇場版(げきじょうばん)とは、テレビアニメやドラマ、漫画など既存の作品を元にして、劇場で上映するために新たに制作された作品を指します。
「劇場版」という言葉の最大の特徴は、原作やテレビシリーズとの区別を明確にする点です。テレビ版を見ている視聴者に対して「これは劇場用に作られた特別な作品ですよ」と示す役割があります。
劇場版にはいくつかのパターンがあります。
1. 完全新作
テレビ版とは別の新しいストーリーを劇場用に作ったもの。「劇場版NARUTO」「劇場版鬼滅の刃 無限列車編」など。
2. 総集編
テレビシリーズの名場面を再編集し、劇場用に仕上げたもの。新規カットを追加することもあります。
3. リメイク版
テレビ版を大幅に作り直し、劇場クオリティで再構成したもの。
「劇場版」を使う作品例
- 劇場版NARUTO
- 劇場版エヴァンゲリオン
- 劇場版ガンダム
- 劇場版けいおん!
- 劇場版おっさんずラブ(ドラマの映画化)
これらの作品は、テレビシリーズとの区別を明確にするために「劇場版」という表記を使っています。
- 劇場版エヴァンゲリオンをIMAXで見た。
- テレビで見ていたアニメの劇場版が公開される。
- 劇場版は作画のクオリティが段違いだ。
語源・由来
「映画」という言葉は、「映像を映し出す画」という意味から生まれました。明治時代には「活動写真(かつどうしゃしん)」と呼ばれていましたが、大正時代以降に「映画」という言葉が定着しました。英語の「Cinema(シネマ)」や「Movie(ムービー)」に相当する日本語として普及しました。
一方「劇場版」という言葉は、1970年代後半のテレビアニメ映画化ブームの中で生まれました。
きっかけは1977年の「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版です。テレビシリーズを再編集した映画が大ヒットし、翌1978年には完全新作の「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」が公開されました。このとき、テレビ版と区別するために「劇場版」という言葉が使われるようになったとされています。
「劇場」という言葉は、もともと演劇や映画を上映する建物(映画館)を指します。そこから派生して、「劇場で上映するために作られた特別版」という意味で「劇場版」という表現が定着しました。
使い分けの実態
「映画」と「劇場版」の使い分けには、明確なルールがありません。同じテレビアニメの映画化でも、作品によって表記が異なります。
「映画」を使う傾向
- 長期シリーズの国民的アニメ(ドラえもん、クレヨンしんちゃん、アンパンマンなど)
- 子ども向けの作品
- 毎年恒例で公開される作品
- テレビシリーズよりも映画の方が知名度が高い作品
「劇場版」を使う傾向
- 深夜アニメや青年向けアニメの映画化
- 期間限定公開・イベント性の高い作品
- テレビシリーズのファンをメインターゲットにした作品
- ドラマの映画化
ただしこれらはあくまで傾向であり、制作会社や配給会社の判断によって決まります。
迷ったときの考え方
一般的な会話では、どちらを使っても間違いではありません。ただし、以下のように使い分けると自然です。
一般的な会話では「映画」
友人との会話や日常会話では「映画」を使う方が自然です。
- 「週末、エヴァの映画見に行かない?」
- 「週末、エヴァの劇場版見に行かない?」(やや堅い)
正式名称では作品に従う
作品の正式タイトルを言う場合は、公式の表記に従いましょう。
- 「劇場版エヴァンゲリオン」(公式表記)
- 「映画ドラえもん」(公式表記)
テレビ版との区別を強調する場合は「劇場版」
テレビシリーズとの違いを明確にしたい場合は「劇場版」が適切です。
- 「テレビ版と劇場版では結末が違う」
- 「テレビ版と映画では結末が違う」(やや曖昧)
よくある質問
「映画」と「劇場版」、どちらが正しい?
どちらも正しい表現です。「劇場版」は「映画」の一種なので、劇場版作品を「映画」と呼んでも間違いではありません。公式タイトルに従うのが最も確実です。
なぜ「映画ドラえもん」は「劇場版」ではないの?
明確なルールはありませんが、1980年から毎年公開されている長期シリーズであることや、子ども向け作品として「映画」の方が親しみやすいという判断があったと考えられます。歴史的に「映画」表記が定着しているため、現在もその表記が継続されています。
完全オリジナルの映画に「劇場版」は使える?
一般的には使いません。「劇場版」は既存作品(テレビアニメやドラマなど)の映画化を指す言葉なので、完全オリジナルの作品には「映画」を使います。ただし「劇場用アニメーション」「劇場公開作品」といった表現は使われます。
「劇場版」と「映画版」の違いは?
ほぼ同じ意味ですが、「劇場版」の方が一般的です。「映画版」はテレビドラマや舞台作品の映画化を指すこともありますが、アニメでは「劇場版」が圧倒的に多く使われます。
英語では何と言う?
「映画」は「Movie」「Film」、「劇場版」は「Theatrical Version」または単に「The Movie」と表記されます。例えば「劇場版NARUTO」は英語タイトルで「NARUTO: The Movie」となります。