SVODは月額定額制の見放題サービス(Netflix、Huluなど)、AVODは広告付きの無料サービス(YouTube、TVerなど)、TVODは作品ごとに課金するレンタル型サービス(iTunesレンタルなど)です。最近はNetflixなどのSVODサービスにも広告付き低価格プランが登場し、従来の分類では説明しきれない状況になっています。
| 項目 | SVOD | AVOD | TVOD |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | Subscription Video On Demand | Advertising Video On Demand | Transactional Video On Demand |
| 料金体系 | 月額または年額の定額制 | 無料(広告収入で運営) | 作品ごとに課金 |
| 視聴制限 | 見放題(何本でも追加料金なし) | 見放題(広告視聴が必須) | 課金した作品のみ(期限付き) |
| 広告 | 基本的になし(広告付きプランは例外) | あり(動画の前後や途中) | なし |
| 代表的なサービス | Netflix、Hulu、Disney+、Amazon Prime Video、U-NEXT | YouTube、TVer、ABEMA、ニコニコ動画 | iTunes、Google Play、Amazon Prime Video(レンタル) |
| 最新作の配信 | 配信まで時間がかかる | 限定的 | 比較的早い |
| 向いている人 | たくさんの作品を楽しみたい人 | 無料で気軽に楽しみたい人 | 見たい作品だけ選びたい人 |
「SVOD」の意味と使い方
SVOD(エス・ブイ・オー・ディー)とは、Subscription Video On Demand(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)の略で、月額または年額の定額料金を支払うことで動画が見放題になるサービスのことです。
SVODの最大の特徴は、料金を気にせず何本でも視聴できる点です。月額料金さえ支払えば、用意されているコンテンツを自由に楽しめるため、映画やドラマを頻繁に見る人にとってコストパフォーマンスに優れています。
2015年に日本に上陸したNetflixをはじめ、Hulu、Disney+、Amazon Prime Video、U-NEXTなどが代表的なSVODサービスです。各社はオリジナルコンテンツの制作や独占配信に力を入れており、差別化を図っています。
広告付きプランの登場で変化するSVOD
2022年以降、従来「広告なし」が特徴だったSVODに変化が起きています。Netflixは2022年11月に月額890円の広告付きプラン「広告つきスタンダード」を開始し、2024年には全世界で7,000万人以上が利用しています。Disney+やAmazon Prime Videoも広告付きプランを導入しました。
この動きにより、「SVODなのに広告が出る」という従来の分類では説明しきれない状況が生まれ、消費者の混乱を招いています。厳密には広告付き低価格プランは「ハイブリッド型(SVOD+AVOD)」と呼ぶべき新しいモデルと言えます。
- SVODサービスに加入してから、レンタルショップに行く機会が減った。
- 月に10本以上見るなら、SVODの方がコスパが良い。
- 最近のSVODは広告付きプランも登場し、選択肢が増えた。
「AVOD」の意味と使い方
AVOD(エー・ブイ・オー・ディー)とは、Advertising Video On Demand(アドバタイジング・ビデオ・オン・デマンド)の略で、広告を視聴する代わりに無料で動画コンテンツを楽しめるサービスのことです。
AVODは広告収入によって運営されており、ユーザーは料金を支払う必要がありません。動画の開始前や途中、終了後などに広告が表示され、視聴者はこれを見ることでコンテンツを無料で楽しめます。テレビのコマーシャルと同じ仕組みです。
YouTubeが最も代表的なAVODサービスで、その他にTVer(民放公式テレビポータル)、ABEMA、ニコニコ動画などがこの形態を採用しています。
AVODの2つのタイプ
AVODには大きく分けて2つのタイプがあります。
1. 完全無料型
YouTubeのように、すべてのコンテンツを無料で視聴できるタイプです。ただし、広告をスキップできない場合があります。
2. フリーミアム型
基本コンテンツは広告付きで無料ですが、有料プランに加入すると広告が非表示になったり、プレミアムコンテンツが視聴できるタイプです。YouTube Premium(月額1,280円で広告なし)などがこれに該当します。
- AVODは広告が入るが、無料で利用できるのが魅力だ。
- TVerは民放各局の番組をAVOD形式で配信している。
- 広告を気にしないなら、AVODで十分楽しめる。
「TVOD」の意味と使い方
TVOD(ティー・ブイ・オー・ディー)とは、Transactional Video On Demand(トランザクショナル・ビデオ・オン・デマンド)の略で、作品ごとに料金を支払ってレンタルまたは購入する都度課金型のサービスのことです。
TVODはペイ・パー・ビュー(Pay-Per-View)とも呼ばれ、見たい作品だけを選んで課金する仕組みです。サービスへの登録自体は無料ですが、コンテンツを視聴する際に1本ごとに料金が発生します。
代表的なサービスはiTunes(レンタル・購入)、Google Play Movies、YouTube Movies、Amazon Prime Video(レンタル)などです。多くのSVODサービスも、見放題作品とは別にTVOD形式で最新作を提供しています。
TVODの2つの形態
TVODには主に2つの形態があります。
1. レンタル型(DTR: Download to Rent)
一定期間(通常48時間程度)だけ視聴できる形態です。料金は比較的安価で、400円から700円程度が一般的です。
2. 購入型(EST: Electronic Sell-Through)
作品を購入し、永続的に視聴できる形態です。料金はレンタルより高額ですが、何度でも視聴できます。
最新作をいち早く見たい場合や、何度も見返したいお気に入りの作品がある場合に適しています。
- 最新映画はTVODでレンタルして視聴した。
- TVODなら見たい作品だけを選べるので無駄がない。
- 月1から2本程度しか見ないなら、TVODの方が経済的だ。
語源・由来
これらの用語はすべてVOD(Video On Demand:ビデオ・オン・デマンド)を基礎とした造語です。VODとは、好きな時間に好きな場所で動画を視聴できる仕組みの総称で、「オンデマンド(要求に応じて)」という言葉が示す通り、従来の放送のように決まった時間に視聴するのではなく、視聴者が自由に選択できる点が特徴です。
SVODの「Subscription」は「定期購読・会員制」、AVODの「Advertising」は「広告」、TVODの「Transactional」は「取引・決済」を意味し、それぞれのビジネスモデルを表しています。
これらの用語が普及したのは2010年代で、特に2015年のNetflix日本上陸以降、動画配信市場の拡大とともに一般的になりました。
ハイブリッド型の登場
現在の動画配信サービスは、単一のモデルではなく複数のモデルを組み合わせたハイブリッド型が主流になっています。
主なハイブリッドパターン
- SVOD + TVOD:Amazon Prime Videoのように、見放題コンテンツと有料レンタル作品の両方を提供
- SVOD + AVOD:Netflixの広告付きプランのように、定額制と広告モデルの併用
- AVOD + Premium(フリーミアム):YouTubeのように、無料広告付きと有料広告なしプランの両方を提供
この傾向により、「このサービスはSVODかAVODか」という単純な分類が難しくなっています。利用者は自分の視聴スタイルや予算に応じて、最適なプランを選ぶ必要があります。
使い分けのポイント
どのサービスを選ぶか迷った場合は、以下の基準を参考にしてください。
SVODがおすすめの人
- 月に何本も映画やドラマを見る人
- 広告なしで快適に視聴したい人
- 様々なジャンルを楽しみたい人
- コストパフォーマンスを重視する人(月10本以上見るなら定額制がお得)
AVODがおすすめの人
- 無料で気軽に楽しみたい人
- 広告が気にならない人
- YouTubeなどのユーザー投稿コンテンツを楽しみたい人
- テレビ番組の見逃し配信を利用したい人(TVer)
TVODがおすすめの人
- 最新作をいち早く見たい人
- 見たい作品がはっきりしている人
- 月に1から2本程度しか見ない人
- お気に入りの作品を購入して何度も見返したい人
また、複数のサービスを組み合わせて利用するのも効果的です。例えば、「普段の視聴はSVOD、最新作だけTVOD」「基本はAVODで無料視聴、見たい作品が多い月だけSVOD契約」といった使い分けが可能です。
よくある質問
Netflixの広告付きプランはSVODとAVODのどちら?
厳密にはSVODとAVODの両方の特徴を持つ「ハイブリッド型」です。定額制(SVOD)でありながら広告が表示される(AVOD)ため、従来の分類では説明しきれない新しいモデルと言えます。
Amazon Prime Videoは何に分類される?
Amazon Prime Videoは「SVOD + TVOD」のハイブリッド型です。月額600円のプライム会員特典として見放題作品(SVOD)を提供しつつ、最新作や一部作品は個別課金(TVOD)で提供しています。
SVODとTVOD、どちらが経済的?
視聴本数によって異なります。月に10本以上見るならSVODの定額制の方が経済的で、月1から2本程度ならTVODのレンタルの方が安く済みます。自分の視聴ペースに合わせて選びましょう。
SVODで最新映画は見られる?
SVODで最新作が見放題対象になるまでには時間がかかることが多いです。劇場公開後すぐに見たい場合はTVODのレンタルを利用するか、一部のSVODサービスが提供する追加課金(PVOD:プレミアムVOD)を利用する必要があります。
DVDレンタルとTVODの違いは?
最大の違いは返却の有無です。DVDレンタルは店舗に返却する必要があり延滞料金が発生しますが、TVODは視聴期限が来れば自動的に視聴不可になるため返却不要で延滞料金もありません。また、TVODはインターネット経由ですぐに視聴開始できる利便性があります。