「神社」は神道の施設で、日本古来の神様を祀る場所。「寺」は仏教の施設で、仏様を祀り僧侶が修行する場所です。神社の入口には鳥居があり、参拝は「二礼二拍手一礼」。寺の入口には山門があり、参拝は静かに「合掌」します。初詣はどちらに行っても問題ありません。
| 項目 | 神社 | 寺 |
|---|---|---|
| 宗教 | 神道(日本古来) | 仏教(インド発祥) |
| 祀るもの | 神様(八百万の神) | 仏様(如来・菩薩など) |
| 入口の目印 | 鳥居 | 山門 |
| 中心となる建物 | 本殿・拝殿 | 本堂・金堂 |
| 参拝方法 | 二礼二拍手一礼 | 合掌(静かに手を合わせる) |
| 聖職者 | 神主・巫女 | 僧侶(お坊さん)・尼 |
| お墓 | 基本的にない | ある |
| 全国の数 | 約8万社 | 約7万7千寺 |
| 名称の例 | 〜神社、〜神宮、〜大社、〜宮 | 〜寺、〜院、〜庵、〜大師 |
「神社」の意味と使い方
「神社」は、神道に基づく宗教施設で、日本古来の神様を祀る場所です。神道は日本固有の宗教で、山や川、岩や木など自然のあらゆるものに神が宿るという「八百万(やおよろず)の神」の考え方が特徴です。
神社には神様が降臨して宿る「ご神体」が祀られています。ご神体は鏡や剣、山や岩など様々ですが、神聖なものとして一般には公開されません。神社で働く聖職者は「神主(かんぬし)」や「宮司(ぐうじ)」、儀式を手伝う女性は「巫女(みこ)」と呼ばれます。
神社には「〜神社」のほか、「〜神宮」「〜大社」「〜宮」などの名称があります。伊勢神宮、出雲大社、明治神宮などが有名です。
- 初詣は地元の神社に参拝した。
- 七五三のお祝いで神社にお参りする。
- 京都の伏見稲荷大社は千本鳥居で有名な神社だ。
- 結婚式を神社で挙げる「神前式」を選んだ。
「寺」の意味と使い方
「寺(てら)」は、仏教の宗教施設で、仏様を祀り、僧侶が修行や教えを学ぶ場所です。仏教は紀元前5世紀頃にインドで釈迦(ブッダ)によって開かれ、6世紀頃に中国を経由して日本に伝来しました。
寺には「仏像」が安置されており、本堂には「ご本尊」と呼ばれる主要な仏像が祀られています。阿弥陀如来、薬師如来、観音菩薩など様々な仏様があります。寺で働く聖職者は「僧侶」「住職」「和尚」などと呼ばれ、女性は「尼(あま)」と呼ばれます。
寺には「〜寺」のほか、「〜院」「〜庵」「〜大師」などの名称があります。また、寺にはお墓があり、葬儀や法事など死後の供養を行うのも特徴です。
- お盆に寺へお墓参りに行った。
- 京都の金閣寺は世界遺産に登録されている。
- 大晦日に寺で除夜の鐘をついた。
- 浅草寺は東京を代表する観光名所だ。
参拝方法の違い
神社と寺では、参拝の作法が異なります。間違えやすいポイントなので、しっかり覚えておきましょう。
神社の参拝方法「二礼二拍手一礼」
- 鳥居の前で一礼してからくぐる(参道は端を歩く)
- 手水舎で手と口を清める
- 拝殿の前でお賽銭を入れ、鈴を鳴らす
- 二礼(深いお辞儀を2回)
- 二拍手(手を2回叩く)
- 手を合わせてお祈り
- 一礼(深いお辞儀を1回)
寺の参拝方法「合掌」
- 山門の前で一礼してからくぐる(敷居を踏まない)
- 手水舎で手と口を清める
- 鐘があればつく(帰りにつくのはNG)
- 本堂の前でお賽銭を静かに入れる
- 合掌(静かに手を合わせる。拍手はしない)
- 一礼してお祈り
最大の違いは、神社では手を叩く(拍手)が、寺では手を叩かないという点です。寺では静かに手を合わせて合掌するのが作法です。
建物・シンボルの違い
見た目で神社と寺を見分ける最も簡単な方法は、入口にある建造物を確認することです。
神社の特徴
- 鳥居:神社の入口にある門。神様の世界と人間の世界を隔てる
- 狛犬・獅子:拝殿の前に置かれる守護像
- しめ縄:神聖な場所を示す縄
- 本殿・拝殿:ご神体を祀る建物と参拝する建物
- 鎮守の森:神社を囲む森
寺の特徴
- 山門:寺の入口にある門
- 仁王像:山門に置かれる守護神像(阿形・吽形の一対)
- 仏像:本堂に安置される仏様の像
- 本堂・金堂:ご本尊を祀る建物
- 鐘楼:梵鐘を納める建物(除夜の鐘)
- お墓・墓地:檀家の墓地がある
語源・由来
「神社」の「神」は神道の神様を、「社(やしろ)」は神様を祀る建物を意味します。古くは「社(やしろ)」「宮(みや)」などと呼ばれていました。神道は縄文時代から続く日本固有の信仰で、自然崇拝が起源とされています。
「寺」は、サンスクリット語で「僧侶が住む場所」を意味する言葉が中国で「寺」と訳され、日本に伝わりました。日本最古の寺は、6世紀に建立された飛鳥寺(法興寺)といわれています。
神仏習合と神仏分離
実は、明治時代以前は神社と寺の区別が曖昧でした。6世紀に仏教が伝来して以降、神道と仏教が融合した「神仏習合」の時代が長く続き、神社の中に寺があったり、寺の中に神社があったりしました。
しかし、明治政府が1868年に「神仏分離令」を発布し、神社と寺を明確に区別するようになりました。このとき「廃仏毀釈」と呼ばれる仏教排斥運動も起こり、多くの寺院や仏像が破壊されました。現在の神社と寺の明確な区別は、この時代に確立されたものです。
初詣はどちらに行くべき?
結論から言うと、初詣は神社でも寺でも、どちらに行っても問題ありません。
初詣の参拝者数ランキングを見ると、1位の明治神宮(神社)に続き、2位に川崎大師(寺)、3位に成田山新勝寺(寺)、4位に浅草寺(寺)と、神社も寺も上位にランクインしています。
本来、初詣は地元の氏神様(神社)や菩提寺(寺)に参拝するものでしたが、現代では有名な神社仏閣に参拝することも一般的になっています。大切なのは、一年の感謝と新年の無事を祈る気持ちです。
ただし、神社と寺では参拝方法が異なるので、どちらに行くかによって正しい作法でお参りしましょう。
よくある質問
神社と寺、どちらが多い?
神社が約8万社、寺が約7万7千寺で、神社の方がやや多いです(令和5年版宗教年鑑)。合わせて約15万以上あり、全国のコンビニ(約5万5千店)の3倍近くになります。
お葬式はどちらで行う?
日本では約9割が仏式(寺)で葬儀を行います。神式(神社)の葬儀もありますが少数です。お墓も寺にあることが多く、死後の供養は仏教が担ってきた歴史があります。
鳥居があるのに「寺」なのはなぜ?
神仏習合時代の名残です。明治の神仏分離以前は神社と寺が一体だった場所も多く、今でも鳥居のある寺や、仏像を祀る神社が存在します。
除夜の鐘は神社?寺?
除夜の鐘は寺の行事です。大晦日の夜に寺の鐘楼で梵鐘を108回つき、人間の煩悩を払うとされています。神社には鐘楼がないため、除夜の鐘はありません。
御朱印は神社と寺で違う?
どちらでも御朱印をいただけますが、デザインが異なります。寺の御朱印はご本尊の名前と梵字が中心で、神社の御朱印は神社名と神紋が中心です。同じ御朱印帳に集めても問題ありません。